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出前講座の事例
若者の消費者トラブル(キャリアアップセミナー)
- 目次
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1.出前講座実施概要2.出前講座の流れ(1)事前準備(2)講座当日の流れ(3)講座終了後の対応3.まとめ(感想)
1. 出前講座実施概要
■参加者: | 県立裾野高校 3年生 170人 |
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■実施日: | 平成28年11月7日 14:25~15:15 |
■会場: | 裾野高校体育館 |
■講師: | 東部県民生活センター消費生活相談員 |
■テーマ: | 若者の消費者トラブル(キャリアアップセミナー) |
■講座のねらい: (重点領域) |
社会人として最低限必要な知識と心得を身につけて卒業してほしい 契約基礎知識、悪質商法への対応、SNS、通信販売 |
■時間: | 50分 |
■教材: | パワーポイント資料PDF DVD「若者たちを狙う悪質商法」 冊子「消費者トラブルお悩み相談室」 冊子「くらしの豆知識」 |
2. 出前講座の流れ
(1)事前準備
1か月前に裾野高校の総合的な学習の時間担当の先生と当日のテーマや講座の進め方を確認しました。先生からは卒業後の新生活の準備の一環で社会人として最低限必要な知識と心得を身につけさせたいとの要望があったため、テーマを若者の消費者トラブルとすることとしました。
昨年度に同校で出前講座を実施して好評だったことから基本的に昨年度と同じ内容とすることとしましたが、学校で全校生徒を対象にケータイ・スマホの使い方講座を年1回程実施しているとのことでしたので、ケータイ・スマホの使い方の説明は簡潔にすることとしました。
学校の先生との打合せに当たっては、学校で実施している他の講座を確認して内容の重複を調整することがポイントです。
教材は対象が高校3年生であることから、DVD「若者たちを狙う悪質商法」、冊子「消費者トラブルお悩み相談室」、冊子「くらしの豆知識」を使用しました。


資料づくりは14日前から始めました。テーマが若者の消費者トラブルであったため、契約基礎知識、クーリング・オフ、教材DVDの復習、SNS利用の注意点、通信販売等について説明する36ページのパワーポイントの資料を作成しました。
資料は昨年度のものを基にしながら、生徒が理解しやすいようにクイズ形式を取り入れたり、イラストを入れたり、大事な部分の文字の色を変えたりするなどの工夫をしました。
(2)講座当日の流れ

簡単な自己紹介に続いてパワーポイントを使って東部県民生活センターの案内をした後、センターへの相談件数や相談内容について「消費生活相談クイズ」として生徒たちに4択問題を出題し、挙手により回答してもらいました。
契約・解約についての相談が多いという説明で次につなげました。
パワーポイントと冊子を使い、契約・解約の説明をしました。
「契約なのはどれでしょう?」と生徒たちに4択問題を出題し、挙手により回答してもらいました。契約は口頭でも成立するもので相手の了解なしに解約できないことを理解してもらいました。次に、電器店にパソコンを買いに行った事例を基に「契約が成立したのは4つのうちのどの時点でしょう?」と4択問題を出題し、挙手により回答してもらいました。お互いが合意すれば口頭でも契約は成立すること、法律で定められている場合を除き相手の了解なしに解約できないことを再度説明して理解してもらいました。
どのような場合に解約できるかについて、「どいういうもの?」「いつでもできるの?」「どうやってやるの?」という点からクーリング・オフを説明しました。その他契約をやめられるケースもあわせて説明しました。
説明に当たっては、生徒に考えてもらうこと、資料にイラストを使用したり大事な部分の文字の色を変えたりすることがポイントです。

若者たちを狙う悪質商法の「アポイントメントセールス、デート商法、架空請求、マルチまがい商法」をドラマ形式で紹介したDVDを視聴してもらいました。SNSで楽に儲ける講座に招かれた若者たちが、再現映像を通じて、自分たちがSNSで思わぬトラブルに見舞われていたことに気づき、被害に遭わないための心構えや専門機関に相談することの大切さを学ぶという流れになっています。SNSを利用する時の注意点も説明されています。
通信販売を利用する高校生もかなりいることから、通信販売の長所・短所や注文するときのポイント3点を説明しました。
振り返りに続いて、商品・サービスの情報に疑問や関心を持ち「批判的に考えよう」と勧めました。最後に、「迷ったら、まず相談」として消費者ホットラインと当センターの電話番号を紹介しました。
(3)講座終了後の対応(アンケートを実施)
- 分かりやすかった
- 105人
- 難しかった
- 21人
- まあまあ理解出来た
- 43人
- 適切だった
- 114人
- 長かった
- 44人
- 短かった
- 9人
- 悪質商法
- 41人
- 振り込めサギ
- 28人
- 訪問販売
- 18人
- 通信販売 (TVショッピング)
- 27人
- クレジット・消費者金融
- 21人
- 契約について
- 15人
- 携帯電話
- 63人
- パソコン
- 22人
- その他
- 0人
- とてもよかった
- 51人
- よかった
- 107人
- あまりよくなかった
- 9人
- よくなかった
- 1人
- 見やすかった
- 135人
- 見にくかった
- 17人
- 無くても良い
- 12人
- インターネットHP(サイト名)
- 7人(市役所等(1人)、Google(1人))
- 公共交通機関(名称)
- 5人(役場(1人))
- 職場の壁
- 2人
- ラジオ(番組名)
- 1人
- 雑誌広告(書名)
- 5人
- 新聞広告、TVCM
- 3人
- 見たことがない
- 107人
- その他
- 3人(親(1人))
- 友達
- 41人
- 家族
- 74人
- ご近所
- 2人
- 消費生活センター
- 78人
- 警察
- 27人
- 相談しない
- 11人
- その他
- 1人(相談できる人全員(1人))
- 分かりやすかった
- 分かりやすく質問とか投げかけてくれて良かった
- ポイントが分かりやすく書いてあった
- 絵も取り入れられていて、見やすかった
- 文字が大きかった
- 次にいくのが早くてメモしにくかった
- すごい為になった!!SNSの使い方を気を付けようと思った。ありがとうございました
- DVDが分かりやすく、おもしろかった
- 自分がもし、被害に遭ったときの行動の仕方が分かった
- 消費生活センターという存在を知ることができてよかった
3. まとめ(感想)
昨年度に当センターが同校で出前講座を実施しました。講座が好評だったことを先生が引き継ぎで聞いて講座の申し込みをされたので、調整はスムーズでした。
クイズを何問か出して挙手により回答してもらいましたが、かなり反応してくれました。私語もなく静かに聞いてくれました。講師の説明が速くてメモを取るのが大変な部分があったようです。
平易な言葉で話すこと、生徒への投げかけをして考えてもらう機会を設けること、資料にイラストや色文字を使うこと、具体的な事例を紹介したDVD等の動画を使うことがポイントです。
当日、会場で冊子を配布後に講師の話を始めましたが、時間がやや短くなり、説明とスライド展開が速くて生徒が聞きにくい部分があったようです。当日の準備作業も考慮して時間の配分に気をつけると良いと思います。