「社会の視点で考える消費者として、2つの大切なキーワードが出てきたよ。わかる人、いるかな?」と山地氏が問いかけます。
生徒から、「グリーンコンシューマー」と「フェアトレード」という2つのキーワードが出てきます。
キーワードとして、山地氏が板書します。
「一つ目は『グリーンコンシューマー』。『グリーン』は環境という意味、『コンシューマー』は消費者という意味だよ。みんなも消費者として、お金を払って商品を買ったりサービスを受けたりするよね。その時、環境のことを考えている人、グリーンコンシューマーはこの中にいるかな?」
手を挙げた生徒はいません。
「では、お店で「レジ袋はいりますか?」と聞かれたことがある人は?」
ほぼ全員が手を挙げます。
「では、「いりません」とそのレジ袋を断ったことがある人は?」
半数以上が手をそのまま挙げています。
「レジ袋が不要な時、『いらない』と言えている人が沢山いるね。これも立派なグリーンコンシューマーだよ。他に、今の自分にできること・もうしていることは何かな?」
生徒から、環境に配慮した消費行動の具体例が次々と出てきます。聞きなれない言葉の「グリーンコンシューマー」が、実は身近な行動から始まることに気付いた様子です。
「では、もう一つのキーワードの『フェアトレード』。『フェア』は公平なという意味、『トレード』は取引という意味。(社会科で使っている地図帳を取り出し、西アフリカの場所を掲示します。チョコレートの背景に児童労働があること、フェアトレードのしくみについて説明します)
フェアトレードのチョコレートを実際に生徒たちに見せます。
中には「インターネットで見たことある」という生徒も。しかし、多くの生徒は初めて見たようです。フェアトレードという言葉自体を初めて聞いた、と答える生徒もいます。
原野谷中学校の社会科の平野先生は、1年生の地理の授業で、アフリカの国を勉強する時、「フェアトレード」のことに少しだけ触れると言います。また、3年生の公民の授業で、貿易を勉強する際にも、再度「フェアトレード」に少し触れると言います。
山地氏は、フェアトレードは平野先生の社会科の授業でも出てきていること、みんなが使っている家庭科の教科書にも、説明されているページがあることを伝え、記憶をうながします。
「フェアトレード、実は社会科でも学んでいたのだけれど、みんなにとってあまり身近ではなかったね。それはどうしてだろう?」「実際にフェアトレードの商品を選ぶこと、というのは選択肢のひとつ。でも、近くに売ってなかったりしたら、難しい場合もあるよね。自分たちの消費行動を見つめ直して、それ以外に出来ることはあるかな?」と問いかけ、DVDで確認します。